『反日種族主義』批判の日本人学者「朝鮮人が貧しくなったのに収奪・搾取なかった?」



 インタビューのために腰をおろすとすぐに鳥海豊博士(57)は、かばんから一冊の本を取り出した。自分の本(『日本人学者が見た植民地近代化論』)ではなく、イ・ヨンフン元ソウル大教授などが書いた『反日種族主義』だった。『反日種族主義』は、日帝植民地時代に朝鮮の経済が大きく発展したという植民地近代化論を掲げ、「慰安婦」に対しても個人の営業行為であり日本軍の戦争犯罪ではない、などの主張を盛り込んだ本である。

--- 省略 ---

日本人のポケットに入った日帝の投資

-どのような点がそうなのか?

 「彼らの主張には受け入れられる部分も確かにある。日帝時代に武力を動員した収奪はなかったという点がそれだ。土地調査や産米増殖(コメの生産拡大)事業の際、朝鮮人から強制的に土地やコメを奪ったことはなかったと言うが、これは史料を見ると正しいと思った。もちろん、朝鮮王朝が所有した土地を日帝が押収して東洋拓殖会社に渡した後、小作人が小作権を保護されなかったのは事実だが、農民から土地をそのまま押収したことはなかった。日本人地主が最も多く土地を確保した時期は、1926年から1935年の間だが、その時期は土地調査事業とは関係ない。コメも太平洋戦争時期に強制供出が行われた時を除けば、強制的に処分させるとか奪ったことはなかった。そのような点で、植民地近代化論を主張した学者の研究は、すごいと言える。しかし、私の疑問は、収奪や搾取がなかったのに、なぜ朝鮮人はあのように貧しかったのだろうかという点だった。日帝時代、朝鮮に来た日本の人々は、大部分が貧しかったり職がなかった。それなのに、彼らは皆金持ちになった。朝鮮人はさらに貧乏になったが、日本人はほとんど全員が大金持ちになったというのが、とても不思議でおかしくはないか。そんな謎を勉強を通じてそれなりに解いた。結局、収奪があったからである。したがって、植民地近代化論は正しくないという結論に至った」

 鳥海豊博士は、今回の本の土台となった博士学位論文(「日帝下の日本人土木請負師の活動と利潤創出」、ソウル大学国史学科、2013年)で、日帝が植民地朝鮮に「投資」したという資本がどう使われて、結局、誰のポケットに入ったのかを究明した。日帝強占期の鉄道建設や産米増殖計画の水利組合事業など、公共工事に必要な資金は、毎年日本本国から朝鮮総督府に与える金でその相当部分が充当された。しかし、それらの金は日本の土木請負師(土木建設業者)にそっくりそのまま渡った。大韓帝国時代には、朝鮮人の土木請負師が少数いたが、日帝強占期には、ほとんどが芽を潰された。朝鮮総督府が公共事業を発注し、競争入札ではなく指名入札や随意契約の方法で、朝鮮人の参加を根本から排除したからである。ダムや貯水池工事など土木建設が大部分を占めた水利組合事業も、日本人事業家の独壇場だった。これらの日本人事業主は、朝鮮人への賃金支給も、当時の申告価格の3分の1の水準に値下げした。総督府の統計年報には、朝鮮人労働者の日当が日本人労働者の半分の1円と書かれているが、実際の現場では30~40銭、さらには20~30銭しか支給しない場合も多かった。このような実質賃金は、鳥海豊博士が日本人請負師の回顧録など、生きた資料を探して見つけ出した成果だ。このような不公正と便法を植民地当局が傍観し助長したため、巨視的な観点で見ると、植民地時代は朝鮮に対する日帝の搾取・収奪が行われた時期と言える。


-強圧的な暴力を動員して財産を奪う行為を意味する直接的収奪より、植民地統治勢力の庇護の下で成立した構造的収奪に注目しなければならないと強調した。土木建設事業以外でも構造的収奪が行われたのか?

 「二つの重要な仕組みがある。一つは金融だ。大韓帝国時代に作られた銀行を、合邦後に日帝が完全に掌握し、その時から日本人と朝鮮人を差別した。すなわち、日本人には低金利での貸し出しを積極的に行ったが、朝鮮の人々にはしなかった。それで朝鮮人は周りにいる日本人に高金利で社債を発行しなければならなかった。結局日本人は朝鮮人を相手に投機をして、結局朝鮮の人々の金が日本人に流れたのだ。もう一つは、植民地時代の構造的な暴力である。回顧録などの当時の記録によると、日本人が朝鮮の人々が運営する店に行き、代金が高いと言いながら殴って値段を下げさせたという話が出てくる。このような私的暴力を警察は放置したため、朝鮮人たちは損害を被っても堪えるしかない状況だった。日本人事業主がまったく賃金を支給せずに逃げる事例も多かった。このように日本人は暴力などを利用して実生活で利益を得たが、朝鮮人は損害を被る構造だった」

--- 以後省略 ---

【ハンギョレ新聞日本語版】http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34513.html


この人、根本的な部分をわざと無視している。日帝が無ければそもそも独立した国も無いし、元々収奪する物・金・資源、何も無し。あの状態からさらに貧しくなる事なんてありえない。

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