在日コリアン「涙こらえられず」、拉致被害者家族は落胆



 朝鮮半島が南北に分かれてから70年。11年ぶりに開かれた両首脳会談では、和解と核のない半島を目指す意思が確認された。祖国の歩み寄りを日本で見守っていた人たちには、喜びが広がった。一方で、拉致問題への言及が確認されなかったことに被害者家族からは落胆の声があがった。

 分断の象徴である板門店で、南北両首脳が署名し、並んで発表した共同宣言。東京都内の自宅で中継を見ていた在日2世の田月仙さんは「敵対行為はしない」(文在寅(ムンジェイン)大統領)、「新たな未来を切りひらく」(金正恩〈キムジョンウン〉朝鮮労働党委員長)という言葉に、「涙がこらえきれなかった。平和を誓ったその言葉を信じたい」。

 オペラ歌手の田さんは1985年、北朝鮮に招かれ金氏の祖父、故金日成(キムイルソン)主席の前で革命歌劇を歌った。

 複雑な思いがあった。60年代に北朝鮮へ帰った4人の兄は政治犯収容所に入れられ、2番目の兄は拷問で死亡。公演後に再会したほかの3人の兄は盗聴におびえた様子だった。それを悔い続けた母は亡くなる前、「どんなことがあっても私たちの国は、一つにならなければだめだ」と言った。すべての原因は分断にあると分かっていたからだ。

 今回の会談について田さんは「簡単にはいかないかもしれないが、過去の苦しみや憎しみを乗り越えるきっかけになればいい」。

 両首脳はこの日、ともに「民族の和解」という趣旨の言葉を口にした。関東でパチンコ店を経営する在日2世の金淳次さん(63)は「軍事境界線を互いに踏み越えた瞬間は歴史的な一歩だった。両首脳の表情から今後、終戦につなげる覚悟を感じた」と期待する。

 2006年5月、北朝鮮を支持する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と韓国を支持する在日本大韓民国民団(民団)のトップ同士が和解した。当時、民団の副団長だった金さんは「敵対していた者同士でも協力し合える」と思った。

 しかし、日本人拉致を認めた北朝鮮を支持する団体と「一部による独断」で和解を進めたと、日本社会からも民団内部からも批判され、まもなく和解は破綻(はたん)。現在も対立が続く。

 金さんは「本国のトップ同士が親密さと未来志向の言葉を示したのがうれしい。今度は日本の同胞同士、大きな歩み寄りを試されていると思う」。

     ◇

 民団の呂健二団長は27日、南北の共同発表を受け「朝鮮半島で戦争は二度と起こってはならないというのが私たちの強い思いである。南北間の対話と交流を通じて、あらゆる問題が平和に解決され、名実ともに『平和の時代』が到来することを念願する」との談話文を発表した。

 朝鮮総連は「今回の首脳会談がわが民族同士の理念にもとづき、朝鮮半島における敵対関係に終止符を打ち平和と繁栄、統一の新しい時代への出発点になるものと確信している」とのコメントを発表した。(清水大輔)

【朝日新聞】https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180428-00000002-asahi-soci


日本メディアなのに「拉致」に関するものは、たったの一行。
日本人の読者向けに書いているのか?日本人の関心は南北関係
等ではなく、核兵器とミサイルの廃棄、拉致被害者の帰国。
とにかく視点が私達とは違う。

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