文政権の現実対応と大いなる矛盾 黒田勝弘



 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9日、日本を訪れる。日中韓サミットのためだが、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の訪日がなかったことから韓国首脳としては久しぶりだ。人口5千万の国で年間700万人が日本を訪れている隣国の首脳が、6年以上も日本訪問がなかったとは、非現実的で異常もいいところである。

 文大統領は今、北朝鮮問題をめぐって国際的に話題の人物である。国内的にも80%を超える支持率を誇っている。野党時代の言動などから左派イメージが強く、反日的との見方がもっぱらだったが、訪日を機にある種の“再評価”が必要かもしれない。

 日本で広がっている反韓・嫌韓感情は慰安婦問題にかかわる韓国側の執拗(しつよう)な日本非難が背景にあるが、文大統領は前政権下の「日韓合意」については、野党時代に主張していた破棄や再交渉論は否定している。

 「合意」に不満を語りながらも新たな対日外交要求は控えるという、現実的な外交的配慮である。労働団体などが日本への嫌がらせで釜山の日本総領事館前に立てようとした「徴用工像」を認めなかったのもそうだ。今回の訪日を前にした対日配慮といえる。

 対北朝鮮問題では金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を“板門店会談”(国際舞台)に引き出したことで内外の称賛を浴びている。国内の保守派は「金正恩に利用されているだけ」と冷ややかで「前任者2人を投獄した南の首脳と、兄や叔父を無慈悲に殺害した北の首脳のお似合い会談」などと皮肉る声もあるが、「非核化」要求を堅持しつつトランプ大統領まで“その気”にさせた功績は大きい。

 当初は「反米では?」と思われていたのが今回、米国の懐に飛び込み、信用を得ながら米朝首脳会談にまで持ち込みつつあるのは見事な現実対応である。

 左派・革新政権として文大統領の師匠にあたる盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領(2003~08年)は、政権当初は「米国を怒らせて何が悪い」とか「北朝鮮の核開発には一理ある」などと威勢よく反米・親北カラーを出して物議をかもした。

 彼も金正日(キム・ジョンイル)総書記との南北首脳会談をやっているが、最後は米韓FTA(自由貿易協定)を締結し、米国の要請に従いイラクへの戦闘部隊派兵もOKしている。後にこうした自らの変化を「実用主義」と説明している。

 ただ文大統領の場合、対話攻勢への大転換という金正恩氏の“変化”にうまく遭遇したという背景はあるものの、内外で称賛されている喜びの余り、このまま対北融和策という左派・革新政権の“理想主義”で突っ走る可能性がある。

 脱北者団体筋によると、韓国内では早くも金正恩体制打倒を主張する脱北者たちに対する当局の監視が強まっているという。大型風船による対北宣伝ビラ活動も当局によって急に阻止されるようになった。

 文政権は「非核化」で北に与える見返りは「体制の保証」だというが、その「北の体制」とは兄・叔父殺しを含む政治的、社会的暗黒の独裁体制である。したがって体制保証を前提にした対北融和策は、独裁大嫌いで人権・民主主義が大好きな左派・革新政権としては大いなる矛盾なのだ。

 そこで保守派は文政権に対し「ゆくゆく韓国を北の体制に従わせようとしているのではないか」と疑っているが、韓国国民の一般的な日常感覚では今のところそこまでは想像を超える。(ソウル駐在客員論説委員)

【産経ニュース】http://www.sankei.com/world/news/180508/wor1805080029-n1.html


黒田さん、文在寅がしたのは対日配慮でもなければ、
もちろん日本に対して非礼だと思ったからでもない。
全ては自分の為、統一朝鮮を目指すためでしょう。
スワップや対北援助、日本の金をあてにしたいからです。
狂った行為中に、さらなる狂気を止めただけ。現状は不変。

  にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ
クリックして下さると嬉しいです。 by ポか~~んコアラ

スポンサーリンク