[寄稿]東アジアの可能性



 5月9日、東京で日中韓の三カ国首脳会談が開催された。朝米首脳会談で朝鮮半島の平和に向けた大きな動きが始まろうとする中、三カ国の指導者が直接話をすること自体は歓迎したい。

 しかし、東アジアの現状に対する各国の指導者の姿勢は大きく異なる。韓国は、北朝鮮を国際的な話し合いの舞台に引き出した最大の功労者でありアメリカと連絡を取りながら朝鮮半島の非核化に向けて知略を絞っている。中国は北朝鮮の後ろ盾として、金正恩氏とも直接話し合いを持ちながら、朝鮮半島の秩序構築のために大きな影響力を発揮しようとしている。日本は、北朝鮮が話し合いに向かう可能性を見せた時期でさえ、圧力の強化を呼びかけるばかりで、問題解決において生産的な役割を担ってはいない。5月初めに安倍晋三首相がヨルダンを訪問した際には、同国が北朝鮮との国交を断絶したことを評価した。しかし、小泉純一郎首相が金正日氏と結んだ日朝平壌宣言を履行し、国交正常化を目指すとも発言した。日本の方針は分かりにくい。

 日本の対朝鮮半島政策が迷走している最大の原因は、安倍政権が北朝鮮問題をもっぱら国内政治の道具として利用してきたことにある。日本国内では、安倍首相が支持を失い、窮地に立つと、金正恩がミサイル発射実験を行ってくれるというジョークがある。これは決して笑い話ではない。昨年7月の東京都議会選挙で自民党が大敗したあと、安倍首相の支持率は大きく低下した。その直後、北朝鮮はミサイル実験を行い、日本国内では北朝鮮に対する恐怖や憎悪が高まり、安倍首相に対する支持は回復した。首相は9月に衆議院を解散し、野党の分裂も手伝って、大勝を収め政権を持続している。この選挙の中で、自民党は現状を国難と呼び、日本を守ると叫んだ。

「この男の視線は完全にアノ国のものと一緒。」


 要するに、安倍政権にとって北朝鮮の脅威は、権力を維持するための格好の追い風となっている。ミサイルの恐怖や拉致事件への怒りを煽れば、日本人を容易に思考停止に陥らせることができる。朝鮮半島には緊張が存在した方が好都合であると政権指導部は受け止めているのではなかろうか。昨年秋の選挙で勝利した直後、麻生太郎副総理は北朝鮮のおかげで勝てたと本音を吐露したくらいである。だから、北朝鮮の非核化についてあえて火中の栗を拾いに行く必要はないというのが、日本政府首脳の発想であろう。安倍首相が日朝平壌宣言に言及したのは、国際的な平和創出の流れが確定的になった後であり、能動的な問題解決への意思を述べたわけではない。

 そうした限界はあるにしても、米中韓の三カ国が北朝鮮の非核化に向けて努力している時に日本も日朝関係の改善に向けて動きを起こすべきである。南北首脳会談の際に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が日本人拉致問題を取り上げたときに、金正恩氏は「なぜ日本は直接言ってこないのか」と発言したと日本のテレビが報じた。日朝間に存在する懸案は、日本の指導者自身が取り上げ、話し合いを通して解決するしかない。北朝鮮を単なる悪者のアイコンとして利用し、国民に恐怖心をあおる宣伝しかしてこなかった過去を反省し、対話に転じることができるかどうか、安倍首相の力量が問われる局面である。

山口二郎・法政大学法学科教授

【ハンギョレ新聞日本語版】http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/30569.html


安倍政権のみならず、日本人の政権なら誰がなっても
北朝鮮に積極的に関わろうとはしない。なぜなら、日本人の
ほとんどは国交などは望んでいない。そんな事に力を入れる
馬鹿な政治家はいない。みすみす支持者を減らすようなもの。
あんたがかなり特殊な思想をしているだけ。

  にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ
クリックして下さると嬉しいです。 by ポか~~んコアラ

スポンサーリンク